今回は複雑そうでなかなか利用するのが大変な、ふるさと納税の仕組みをわかりやすく解説していきたいなと思います。
『ふるさと納税がお得だってことは知ってるけど、仕組みがよくわからないから使っていないんだよね』という方は是非、この記事を通してその仕組みを理解してみてください。
一度理解してしまえば難しいことなど全くありませんよ*1。
ふるさと納税の仕組み:
ふるさと納税とは?
まず、ふるさと納税とはなにかをカンタンに説明させていただくと、これは日本各地にある市区町村に寄付をすることでその御礼を貰える制度のこと。
たとえば長崎市に寄付をするとカステラがお礼で貰えたり、松阪市に寄付をすると松阪牛のしゃぶしゃぶ用肉が送られてきたりなどなど、ふるさと納税を利用すれば各地域の特産品をお礼として貰うことが可能になります(下記は一例)。
- 魚沼市にふるさと納税:コシヒカリが貰える
- 根室市にふるさと納税:ズワイガニが貰える
- 浜松市にふるさと納税:ウナギが貰える
- 広島市にふるさと納税:牡蠣が貰える
- 長崎市にふるさと納税:カステラが貰える
寄付しちゃうと自腹なんでしょ?
こう書くと、『いやいや、ふるさと納税で寄付をすればそりゃお礼の品が貰えるのかもしれないけど、寄付した分はどうせ自腹なんでしょ。それじゃ意味ないじゃん!』と思われる方も多いかもしれませんが、ふるさと納税制度で自己負担になるのはわずか2,000円のみ。
- 間違い:お礼の品は貰えるけど、ふるさと納税した金額は自腹
- 正解:ふるさと納税の自己負担は2,000円のみ
実際、私も1年を通して牛肉、お米、ビール等をふるさと納税で貰っていますけれども、どんなにお礼をもらっても自己負担してるのは年に合計2,000円だけとなります(2,000円以上寄付した分は、翌年に払う税金と相殺される形で戻ってくる)。
寄付可能な上限金額がある:
但し、気をつけて欲しい点がひとつあって、それは人によってふるさと納税で寄付可能な上限金額が違うという点です。
詳細は後述しますが、仮にふるさと納税で5万円まで寄付可能な方の場合にはこんな図になります。
つまり5万円以内の寄付であれば自己負担は2,000円のみで済みますが、この方の場合には5万円以上ふるさと納税制度で寄付をしてしまうと自腹になる部分が出てきてしまうので損ということ。
- 5万円以内の寄付:自己負担2,000円のみ
- 5万円以上の寄付:自己負担2,000円+超過した分
そのため、ふるさと納税制度を利用するなら、『自分がいくらまで納税可能なのかどうか』をしっかり把握しておく必要性があるのです(今すぐ計算したい方はこちら)。
正社員や公務員ならほぼ誰でも使える制度:
みなさんがもし正社員としてどこかの企業で働いているとか、警察官や教員として働いている公務員だ…という場合には、もうふるさと納税はやらないと損な制度。
よほど医療費を払っているとか、介護を必要とする家族を扶養しているとかではない限りは利用できる制度なので、『自分には関係ない!』と思わずにその仕組みをしっかり理解してみてください。
そうすれば今年だけでなく来年、再来年も、お肉や野菜、お米といった魅力的な食材を、実質2,000円の負担のみで取り寄せることが可能になりますよ。
ふるさと納税の流れ:
ここまででふるさと納税の仕組みがなんとなくわかってもらったら、次はどのようにふるさと納税制度を使うのかの流れについてです。
全体的な流れとしてはこんな感じ。
- いくらまで納税可能かを調べる
- 好きな返礼品を選ぶ
- 自治体に寄付をする
- 返礼品が送られてくる
- 寄付した分の税金を減額してもらう
それぞれわかりやすく解説していきます。
1.納税可能額を調べる:
ふるさと納税の流れ、一番最初のステップは『自分がいくらまで納税可能かを調べること』。
下記の簡易計算サイトを利用するとその金額をカンタンに調べることが出来るので、こちらで納税可能額を調べてみてください。
だいたい年収300万円程度の方であれば1~3万円程度、年収500万円程度なら4~6万円、年収1,000万円なら13~17万円の納税が可能。
このように年収が大きければ大きいほどに納税可能な金額は増え、逆に年収が低いとふるさと納税制度そのものを使えないこともある状況ですね*2。
上限ギリギリまで納税しないのが無難:
ただ前述のようにふるさと納税は、寄付をしすぎてしまうと自腹になってしまう制度。
下記の5万円寄付した場合の例を思い出してもらえればわかりますが、上限可能額ギリギリまで納税をしてしまうと、自腹になってしまう危険性がはらんでいる制度であるとも言えます。
そのため、税金に対する知識があまりない…という方や、源泉徴収票の見方がよくわからない…という方の場合には、上限ギリギリまでふるさと納税を利用しないほうが無難かも。
5万円まで納税可能な方なら4万円で抑える…などの妥協も、時には重要であると言えます。
- 上限ギリギリまで納税する:
上限を超えた部分については自腹になってしまう(実際には上限以上に寄付した部分については通常の寄付金控除と同じ扱いになるので100%自腹になるわけではない)
- 上限ギリギリまで攻めない:
本来、もらえるはずの御礼の品が貰えなくなるが、自腹にってしまうことがない(確実に自己負担2,000円のみでふるさと納税が使える)
それでも『自分はせっかく使えるなら上限まで攻めたい!』と言うなら、源泉徴収票やその時の医療費控除、生命保険料控除、住宅ローン控除などなどを考慮した上で、しっかり上限の算出に挑戦してみてください。
そういった行為を通してお金の知識が増えれば一石二鳥ですよ(まぁ普段から確定申告をしている方なら余裕だとは思います)。
※もっと詳しく限度額について知りたい方は下記記事も参考にどうぞ。
2.好きな返礼品を選ぶ:
ふるさと納税の流れ、ステップ2は好きな返礼品を選ぶこと。
2019年現在だとお米やお肉、魚介類といった食品から、パソコンや掃除機、空気清浄機といった家電製品まで、もはやふるさと納税で貰えないものはないんじゃないか…というくらい返礼品が充実しているので、是非、どんなものが貰えるのかについては下記のふるさと納税情報サイトを確認してみてください。
その充実さにきっと、驚かれることと思います。
私は野菜や生ビールを貰ってる:
ちなみに。
私が個人的にいつも貰っているのは、大根や人参、キャベツといった野菜がたくさん詰まった野菜セットや、キリン一番絞りなどの生ビール、そして朝食用のグラノーラなどが多いですね。
- 野菜:料理の時に使える
- 生ビール:お酒代の節約に
- グラノーラ:朝食代を安くできる
これだけでどれだけ家計の出費が削減できているかわかりません(私がおすすめする返礼品についてはこちらを参照)。
1万円の寄付でもたっぷり貰える:
あと、1万円の寄付だけだとたいしたものが貰えないんじゃないか?と思われている方も多いのですが、1万円納税だけでもほんと、びっくりするほどにたくさんのお肉や野菜が貰えます。
- 1万円寄付しただけで豚肉4kg
- 1万円寄付しただけで牛肉1.2kg
- 1万円寄付しただけでお米15kg
- 1万円寄付しただけで第3のビール1ケース
そのため、『自分は年収がちょっと足りなくて…』という方でもふるさと納税は使ったほうがお得。
後述する作業は必要になりますが、その手間代くらいはカンタンに回収できるものと思いますよ(1万円納税で貰える返礼品については下記記事参照)。
3.自治体に寄付をする:
ふるさと納税の流れ、3番目のステップはいよいよ納税です。
昔はこの作業が非常に煩わしく、難しいものでもあったんですが、最近ではふるさと納税情報サイトも整備されてきているためにカンタンに納税可能。
前述のふるなびやさとふるなら、まるでAmazonや楽天市場で買い物をするイメージでふるさと納税を完了させてしまうことが出来ます(下記はふるなびの例)。
カード払いだとポイント獲得分だけお得:
もちろん支払いにはクレジットカード払いが使えるため、納税でポイント獲得をしたいのであれば率先してクレジットカードを利用するようにするのがお得。
- 銀行振込:ポイントが貯まらない
- 郵便振替:ポイントが貯まらない
- クレジットカード:ポイントが溜まる分だけお得
仮に楽天カードで20万円の納税をした場合には2,000ポイントの獲得が可能なので、ふるさと納税の自己負担分2,000円を実質無料にすることも出来てしまいますよ(ポイントが貯まりやすいクレジットカードはこちらを参照)。
納税期限ギリギリはクレジットカード払いのみ:
尚、ふるさと納税の納税期限(各年の12月31日まで)のギリギリなタイミングでは、銀行振込や郵便振替による納税は利用不可。
- 銀行振込:年末ギリギリだと無理
- 郵便振替:年末ギリギリだと無理
- クレジットカード:12月31日でも可*3
リアルタイムで納税可能なVISAカードやJCBカードといった、クレジットカード払いのみでしか納税できないので、この点はご理解をいただければなと思います(クレジットカードを持っていない方であってもVISAデビットカードなどのデビットカードや、LINE PAYカードなどのプリペイドカードは使えるので、どこかで現金をチャージをした上でふるさと納税することは出来る)。
4.返礼品が送られてくる:
ふるさと納税の流れ、ステップ4は返礼品を受け取るだけ。
だいたい納税から1~4週間もすると自宅宛に返礼品が送られてくるので、これを受け取ればそれでOKです。
但し、ふるさと納税は楽天市場やAmazonなどと異なり、お肉や野菜の配送日を指定できないことも多い状況あり。
それゆえ、長期で家を留守にしてしまう方や、仕事で帰宅が深夜になってしまう…という方は、配送日指定ができる自治体を選ぶか、事前に自治体に相談の上、返礼品を発送してもらうなどするほうが安全でしょう。
- 配送日指定ができる自治体:問題なし
- 配送日指定ができない自治体:事前に自治体側に相談をするほうが無難
下手すると私のように、長期出張で自宅を留守にしたら野菜をほとんどダメにしてしまった…みたいな悲惨な状況になります(苦笑)
パソコンや家電、人気の返礼品だともっと遅い:
あと、パソコンや家電をふるさと納税で貰おうとする場合や、超人気の返礼品だと自宅に届けてもらうまでに2ヶ月以上の期間を必要とするものもあります。
- 一般的な返礼品:1~4週間で届く
- 家電やパソコン:1ヶ月以上かかることもザラ
- 人気の返礼品:3ヶ月以上待たされることも
- 一部のフルーツ:収穫時期にならないと発送されない
こちらは納税したことそのものを忘れてしまうことも多いので、返礼品が届いた時に『あれ、こんなもの注文したっけ?』と記憶からすでに抹消されてしまっていることも。
私も先日、半年遅れで届いた牛肉セットの処理に困りました…。
配送先を別にすることも出来る:
もうひとつ。
ふるさと納税で貰える返礼品は、なにも自宅宛に届けてもらう必要性はありません。
返礼品ごとに配送先を別に設定することも出来るのため、たとえばお世話になった友人に缶ビール1ケースを送ってあげるとか、実家宛におせちセットを送るなどをすれば、ちょっとしたお中元やお歳暮代わりにすることも可能ですよ。
- 自宅宛:自分へのご褒美や家計の節約に
- 故郷の実家宛:両親への親孝行に
- 友人の住所宛:お歳暮やお中元代わりに
たださすがに目上の上司に対してふるさと納税で返礼品を送るのはちょっとアレかもしれないので、送る先にはくれぐれもご注意ください。
場合によっては失礼にあたるかも…ですね。
5.税金を減額してもらう:
ふるさと納税の流れ、最後は納税した分の税金を減額してもらう作業です。
正直、ここが一番複雑でわかりにくい部分ではあるんですが、わかってしまえばなんてことはなし。
特に後述する『ワンストップ特例制度』を利用すればちょっとした手続きだけでふるさと納税制度を使うことが出来るので、面倒な作業をしたくない方はこちらを利用するようにしてください。
以下、確定申告を普段からしている人と、確定申告ってなにそれ…という方のために、それぞれおすすめの方法を解説させていただきます(確定申告についての解説は国税庁のサイトにて)。
普段から確定申告をしている場合:
まず、普段から確定申告をしているという個人事業主の方や、高所得者の方、医療費控除や住宅ローン控除などがある方の場合には、ふるさと納税で税金を減額をしてもらう方法は非常にカンタン。
ふるさと納税をした自治体から「寄付証明書(控除証明書)」というものが自宅宛に郵送されてくるため、それを利用して確定申告時に「ふるさと納税で合計○万円を寄付しました」と申告すればOKとなります。
流れとしては下記図の通り。
仮に10個の自治体に寄付をしても、たとえ100個の自治体に寄付をしても都度都度、郵送で寄付証明書は送付されてくるので、それをまとめて保管&確定申告すればそれで手続きは完了です(税理士に確定申告を丸投げしている方は、税理士に寄付証明書を送りつければそれでOK)。
これで自己負担は2,000円のみになります。なにも難しいことはありません。
ワンストップ特例制度を利用する場合:
次に、普段から確定申告をしていない…という社会人の方は、ワンストップ特例制度を利用するのがおすすめ。
ワンストップ特例制度とは?
ワンストップ特例制度とは、確定申告を行わなくても、ふるさと納税の寄付金控除を受けられる仕組みです。ふるさと納税先の自治体が、1年間で5自治体までであれば、この制度を活用できます。
※6回以上ふるさと納税を行っても、5自治体以内であればワンストップ特例制度をご活用いただけます。
まぁざっくり説明すると『ワンストップ特例制度=確定申告はしたくないけどふるさと納税の返礼品が欲しい…という方向けに作られた制度』といったところですね。
流れとしてはこんな感じになります。
では、どうすればワンストップ特例制度を利用できるのか…というと、これはワンストップ特例制度を使うよ~という申請を各市町村に書面で連絡すればそれでOK。
- ふるさと納税をする
- 自治体からワンストップ特例制度の用紙が送られてくる
- それを記入して自治体宛に返送
- 自己負担分2,000円を除き、寄付した分の税金が控除される
気になる書類の書き方については、こちらのページなどにも解説があるので参考にして書き上げるようにしてください。
だいたいは自治体からの控除証明書送付と同時にワンストップ特例制度の用紙も同梱されているので、それにボールペンで個人情報を記入し、運転免許証のコピーなどを郵送すれば終わりとなります(用紙が手元になくても、自宅で印刷して記入&郵送すればOK)。
6個以上の自治体に寄付したいなら:
反面、ワンストップ特例制度が利用できるのは、ふるさと納税経由で寄付した自治体が5つまで。
残念ながら6個以上の自治体にどうしても寄付したい!欲しい返礼品があるんだ!という場合は、ワンストップ特例制度を使うことができないので確定申告をするしかありません。
比較項目 | 解説 |
---|---|
普段から確定申告している人 | ふるさと納税で寄付をした分を減額してもらう手続きは非常にカンタン。どんどん寄付をしてOK。 |
確定申告していない人 | (寄付先が5個以下)ワンストップ特例制度を利用することでカンタンに税金の減額がしてもらえる |
(寄付先が6個以上)ワンストップ特例制度は利用できないので確定申告するしかない |
それでも貰える返礼品がお得なのであれば、お金の仕組みを勉強するついでに確定申告をするのもまた良い機会。
是非、はじめての確定申告に挑戦してみてくださいね。
※ふるさと納税情報サイトの「さとふる」では確定申告がカンタンに出来るサービスも用意されてるので、過去と比べるとだいぶ、確定申告もやりやすくはなってます(1月下旬頃に利用可能になる予定))。
ワンストップ特例制度には申請期限あり:
ワンストップ特例制度を利用して税金を控除してもらう際に気をつけたいのが、その申請期限。
毎年、だいたい翌年の1月10日までにワンストップ特例制度を利用する旨を自治体側に連絡しなくてはいけないので、年末ギリギリにふるさと納税をする方はご注意ください。
自治体からの控除証明書が送られてくるのを待ってると、間に合わない場合も多いですよ(自分でワンストップ特例制度の申請用紙を印刷して郵送を!)。
ふるさと納税Q&A:
これで一通り、ふるさと納税の仕組みとその流れについて解説させていただきましたが、さすがにこれだけでは充分とはいえないので、Q&A方式で情報を補足していこうと思います。
更にふるさと納税の知識を付けていきたいという方は参考にしてみてくださいね。
Q.いつまでに納税すればいいの?
ふるさと納税はいつまでに納税すればいいのか…というと、これは毎年12月31日までです。
そのため、年末ギリギリになって無理やりふるさと納税制度を利用しなくてもいいんじゃないか?と思われるかもしれませんが、前述の「納税可能額」はその年、その年の収入に応じて算出される上限金額。
仮に12月31日を過ぎて1月1日になってしまうと、2019年分の納税可能額は使うことが出来なくなってしまうので、その枠が余っているのであれば12月31日までに意地でも納税しておかないと損ということになります。
- 2019年1月1日~12月31日の寄付:2019年のふるさと納税
- 2020年1月1日~12月31日の寄付:2020年のふるさと納税
- 2021年1月1日~12月31日の寄付:2021年のふるさと納税
つまり現時点で1円もふるさと納税を使っていないという方は、12月31日23時59分までに駆け込みでもいいのでふるさと納税をするほうがお得。
もし10万円まで寄付できる方であれば、お肉や野菜、魚介類などなどをだいたい3~5万円分無料で届けて貰うことが出来るので、使わなければそれだけの物品を貰うチャンスを逃すことになります。
年末ギリギリは要注意:
但し、みなさん考えることは同じみたいで、年末ギリギリのふるさと納税はもう大混乱。
自治体によっては12月下旬の納税を受け付けてくれないところがあるだけでなく、魅力的な返礼品が軒並み在庫不足…みたいなこともありえるため、ふるさと納税を最大限に活用したい方は12月中旬ごろまでに納税しておくのが理想ですね。
そうすれば支払い方法も自由なものを選べますよ(12月下旬だとクレジットカード払いのみという自治体が多い)。
Q.縁もゆかりもない自治体に寄付していいの?
『ふるさと納税をしてみたいけれども、自分に縁のある自治体にしか寄付できないんでしょ?』なんて思われている方も多いのですが、ふるさと納税は全国各地にある市区町村どこにでも寄付が可能性な制度です。
- よくある間違い:
ふるさと納税というくらいだから、過去住んでいたとか、親族が住んでいるなどの「縁のある自治体」にしか寄付できない
- 実際のふるさと納税:
ふるさと納税制度では行ったことも聞いたこともないような自治体にでも寄付できる(日本全国どこの自治体に寄付して問題なし)
たとえば山形牛が食べてみたいから山形市に寄付をしたり、讃岐うどんが食べたいから高松市に寄付をする…なんてことももちろんOK。
とにかく興味がある自治体に寄付をしてしまっても全く問題ありません。
今住んでいる自治体への寄付は要注意:
ただそれにはひとつだけ例外があって、現在住んでいる自治体(市町村)にふるさと納税をするのだけは要注意。
いくら寄付をしてもお肉や魚が貰えない可能性が高いので、ふるさと納税で返礼品選びをするなら在住の自治体以外への寄付をお願いできればなと思います。
- 住んでいる自治体への寄付:返礼品が貰えない可能性大
- それ以外の自治体への寄付:返礼品が貰える
※自分が住んでいる自治体にふるさと納税をしても、自治体側が得られる税収が増えないため。むしろ返礼品を送付する分だけ赤字になってしまう。
Q.どのくらいの自治体に寄付してOKなの?
ふるさと納税制度で寄付可能な自治体数は、基本的に無制限。10個の市町村に寄付をしてもOKですし、100個であっても全く問題ありません。
ただ前述のように、6つ以上の自治体に寄付をするとワンストップ特例制度を利用することが出来なくなるので、確定申告する必要性がある点にはご注意。
別に確定申告くらいかまわないと思う方は、ふるさと納税の寄付上限額の範囲内で好きだけ返礼品を貰ってしまって大丈夫です。
私も2018年には100近くの自治体に寄付をしましたよ(あまり寄付しすぎると、確定申告の際に控除証明書がすごいことにはなります)。
Q.同じ自治体に何度でも寄付していいの?
同じ自治体へ何度でも寄付していいのか…というと、これは自治体ごとにその対応は別々。
一部、同一年の複数回納税を禁止している自治体もありますが、ほとんどの自治体では「何度でも寄付してもらってOK(寄付された回数分だけ返礼品を送付)」という立場を取っているので、それほど神経質に気にしなくても大丈夫かもしれません。
- 一部の自治体:繰り返し納税をしてもらっても返礼品は送らない
- ほとんどの自治体:納税された回数分だけ返礼品を送る
ふるさと納税情報サイトには記述あり:
そうはいっても確証が持てないと、なかなか複数回の寄付はできないものですよね。
そういった時はやはりふるさと納税の情報サイトを確認するのが一番。下記画像のように「年何度でも可」という文字が表記されている返礼品であれば、何度でも寄付をした回数分だけ返礼品を送ってもらうことが出来ます。
実際、私は大阪府泉佐野市に何度も寄付をして、ビール1ケースを毎月のように送ってもらってるほどです(先月はマスターズドリーム、その前はキリン一番絞り、その前はスーパードライでした)。
Q.ふるさと納税した分が還付されるのはいつ?
ふるさと納税をすると納税した分だけ税金が還付されて戻ってくる…と思われている方は多いのですが、実際には還付ではなく「減額」で対処されるのでくれぐれもご注意ください。
- 間違い:ふるさと納税した分はあとで戻ってくる
- 正解:ふるさと納税した分だけあとで所得税や住民税が減額される
たとえば2019年1月1日~12月31日までにふるさと納税した分については、2020年6月頃に通知される住民税の金額から納税した分が減額されるだけ(ワンストップ特例制度の場合)。
別途、お住いの市町村から連絡があって、あなたの銀行口座に入金があるわけではありませんよ。
Q.寄付する度に2,000円の自己負担金が必要?
ふるさと納税の自己負担分2,000円は、納税の度にかかる金額ではありません。
仮に5個の自治体に寄付をしても、50個の自治体に寄付をしたとしても自己負担金は合計で2,000円のみなので、自己負担額を気にして納税をしないのは勿体のない行為であると言えます。
- 1つの自治体に寄付:自己負担は2,000円
- 5つの自治体に寄付:自己負担は合計2,000円のみ
- 50個の自治体に寄付:自己負担は合計2,000円のみ
つまり高額納税者であればあるほど、自己負担額2,000円分はもはや気にする必要性のないお金であるということ。
逆にふるさと納税の上限枠が1万円前後しかない方の場合には、貰える返礼品の質よりも2,000円の自己負担のほうが重くなってしまう可能性もありえますよ。
自己負担と返礼品と天秤にかけ、ふるさと納税するかどうかを見極めてもらえればなと思います。
ふるさと納税の利用率は25%もない:
すでにふるさと納税を認知済みで、ほんとうはふるさと納税を利用できるはずなのに、実際にこの制度を利用する方は全体の25%もいない状況であると言われています。
つまり75%以上の方は「お肉や野菜といった返礼品がたっぷり貰えるはずなのに、貰っていない勿体無い人」と言うこともできそうな感じ。
- 25%の人:返礼品を貰えてお得な人
- 75%の人:もったいない人
みなさんはそんな勿体無い人にならないようにこの制度の仕組みをしっかり理解し、12月31日までにしっかり寄付するようにしてくださいね。
お得なふるさと納税テクニック:
ここで更にふるさと納税を極めたい方のために、お得なふるさと納税の活用テクニックも紹介してみたいと思います。せっかく納税するなら最大限に得をしたい方はご覧ください。
楽天ふるさと納税はポイント獲得に強みあり:
ふるさと納税で寄付可能な金額が数万円~10万円程度の方は、楽天ふるさと納税を活用するのがおすすめ。
こちらのふるさと納税情報サイトでは納税に応じて楽天ポイントが貰える仕組みが採用されているので、他のふるさと納税情報サイトを利用するよりもポイント獲得分だけ得する形となります。
納税額の20%近くがポイントで溜まることも:
『そうはいっても1%、2%のポイント獲得のために楽天のふるさと納税サイトを使うのは…』と思われる方もいるかもですが、楽天ふるさと納税では楽天スーパーセールや楽天お買いものマラソンといったセール期間を狙うことで、なんと納税額に対して10%以上のポイント獲得が可能なことも。
更にSPU(楽天ポイントアッププログラム)やポンカンキャンペーンを絡めれば追加で10%近くのポイント獲得が出来るので、合算すると1万円納税で2,000円分の楽天ポイント獲得も夢ではありません(SPUの解説は下記記事にて)。
まぁ20%ポイント還元についてのハードルはかなり高いのでよほど楽天市場を使いこなしている方でもなければ難しいのですが、10%以上のポイント獲得であればさほど難しいこともなし。
すでに楽天IDを保有しているという方は是非、大量ポイント獲得に挑戦してもられえばなと思います。詳しくは下記記事を参考にどうぞ。
返礼品が12月31日までに選べない場合の解決策:
『寄付可能な金額があと10万円ほどあるんだけど、もう時間がなくてどの自治体に寄付すればいいか選びきれない!』
そういう時はふるさと納税の金額を返礼品ではなく、返礼品と交換可能なポイントに変換してくれるポイント制を導入している自治体へ寄付するのがおすすめ。
こちらであればたとえ12月31日までに返礼品を選ばなくても、翌年に入ってからゆっくりと返礼品選びが出来る分だけ便利です。
寄付枠をポイントに交換する仕組み:
ではなぜポイントに交換をすると急いで返礼品を選ぶ必要性がないのか…というと、このサービスではふるさと納税した金額をポイントに変えてくれるため。
返礼品選びは後日、そのポイントを使ってゆっくりと選ぶことが出来るので、『どの返礼品すればいいかもう時間がない!』という時は一度、ふるさと納税の寄付枠をふるぽに変換した上で活用すればいいのですね。
- 通常:12月31日までに返礼品を選ぶ必要性がある
- ふるぽ:一旦、ふるぽにしてしまえば翌年でも返礼品が選べる
更に詳しくポイント制について知りたい方は下記記事もあわせてお読みください。おすすめの自治体についてもまとめさせていただいています。
12月31日の23時台はちょっと危険:
ふるさと納税は解説させていただいた通り、毎年12月31日の23時59分まで納税可能な仕組みではあるんですが、例年、終了間際になると駆け込み申請が増えるようで、各ふるさと情報サイトのサーバーがダウンしてしまう傾向にあります。
事実、2016年も12月31日23時台にふるさと納税の決済システムを担当していたYahoo!JAPANのサーバーがダウン。
駆け込みで納税をしようとしていた方がふるさと納税出来ないという事態になってしまったくらいなので、みなさんももし可能なら12月31日の日中に納税は済ませてしまったほうが無難ですよ。
ふるさと納税で貰えるおすすめの返礼品:
その他、ふるさと納税に関する知識をいくつかまとめておきます。知識があればもっとふるさと納税を活用することが出来るようになります。
1万円で貰えるおすすめの返礼品:
1万円の寄付だけでもドカンと貰うことができる、おすすめの返礼品をまとめた記事です。
お米にお肉、カニにフルーツにと、1万円のみのふるさと納税でだってかなり良いモノを貰うことが出来るので、数万円納税可能なら複数の自治体へ1万円ずつ寄付するのも良いアイデア。
間違いなく家計の食費節約に繋がりますよ。
ふるさと納税で家電を貰う:
ふるさと納税で電子レンジや掃除機、炊飯器といった家電を貰いたい…という方向けの記事です。
全体的に必要な寄付額は大きめですが、LEDシーリングライトや炊飯ジャーなどは数万円の寄付からでも貰うことが出来るので狙い目。
他にもHITACHIの全自動掃除機や、SONYの人気テレビ『BRAVIA(ブラビア)』なども存在しますよ。
ふるさと納税でパソコンを貰う:
今や配布してくれる自治体数はかなり減ってしまいましたが、ふるさと納税をすれば最新のデスクトップパソコンやノートPCなどのパソコンも入手可能です。
私も過去、山形県米沢市に寄付をしてNECの最新ノートパソコンを入手したことあり(こちらの記事を参照)。
所得にかなり余裕がある方向けですが、納税でパソコンが貰えるのはほんとお得感たっぷりです。
タブレット端末が貰える自治体:
ふるさと納税でパソコン…ではなく、WindowsタブレットやタブレットPCなどのタブレット端末が貰える自治体をまとめた記事です。
こちらもパソコン同様、それなりに所得が必要な点がネックですが、納税でタブレットが貰えるのはお得そのもの。
是非、納税可能枠に余裕があるなら狙ってみてください。年収にして700万円以上ある方なら貰える可能性有りです。
大型の液晶テレビを貰う:
ふるさと納税で4Kテレビを貰う…なんていうのも夢がありますね。
SONY製のブラビアやアイリスオーヤマの安価なテレビなどがその対象となっているので、こちらも納税額に余裕がある高所得層な方は「納税でテレビ」なんていうのも面白いと思います。
リビングやダイニング用のテレビとしてどうぞ。
ふるさと納税で商品券:
ふるさと納税で商品券やギフトカードが貰える自治体をまとめた記事です。
過去にはAmazonギフト券やJCBギフトカード等の大盤振る舞いもありましたが、現在は各自治体への旅行で使える旅行券が中心。
他には草津温泉や伊豆で使える商品券…なんてものもありますよ。
自宅でタダ酒を飲む:
ふるさと納税でビールが貰える自治体をまとめた記事です。
キリン一番絞り、スーパードライ、よなよなエール、マスターズドリーム、エビス、プレミアムモルツなどなど、もはやすべてのビールがふるさと納税で貰える状況になっているので、『自宅でタダ酒を堪能したい!』という方におすすめ。
私も毎月1箱ペースでビールを貰ってます。
当サイトおすすめの返礼品:
過去、のべ300以上の自治体に寄付をしてきた私が選ぶ、おすすめのふるさと納税返礼品については下記記事を参考に。
実際に貰った時の生の口コミ込みの解説をさせてもらっているので、自分で返礼品を選ぶのが面倒くさいという方に最適です。
あと、今年の人気返礼品も紹介していますよ。
まるで通販サイトのように何でも揃う:
ふるさと納税の情報サイトに登録されている御礼品には、今回紹介した野菜や果物、お肉といった食品や家電以外にも、家具にベッドシーツ、タオルにコップ、そして洗剤にお風呂の入浴剤などなど、生活に関するものがほとんど存在。
それゆえ、高額納税者の方であればもうふるさと納税だけで1年の生活費すべてを賄う…なんてことも出来る可能性は充分にあることでしょう。
なんともまぁ、羨ましいことです。
さぁふるさと納税をしよう:
ここまで長々とふるさと納税についてマルっと解説させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
なんだか難しそうな言葉が並んでいるためには、どこか『自分には関係がない』と思われている方もきっと多かったと思いますが、ご覧いただいたようにふるさと納税は使わなければ大損な制度。
特に年収が300万円以上ある方は是非、この機会にふるさと納税デビューを果たしてみてくださいね。
以上、図解でわかる、ふるさと納税の仕組み(2019年版)!ふるさと納税とはどんな制度かを理解して、お肉やお米といった特産品を貰おう…という話題でした。
参考リンク:
ふるさと納税を5年以上活用してきた私が思う、ふるさと納税のメリット&デメリットについては下記記事を参考に。ほんと、ふるさと納税制度にはお世話になりっぱなしです。
*1:今回の記事は超初心者向けの記事なので、説明の正しさよりもわかりやすさを優先して解説している部分が多くなっています。一部、例外を除いた解説をさせていただいている部分もあるので、ほんとうに自分がふるさと納税可能かどうかについては源泉徴収票などを片手に、各種計算サイトにて確認ください(ふるさと納税可能な金額がわかる、おすすめの計算サイトはこちら)。
*2:年収が低いとふるさと納税を使うことが出来ないなんてけしからん…と思われる方もいるかもですが、ふるさと納税制度はそもそも、自分が住んでいる地域に納税している税金を好きな自治体に振り分けるための制度でもあるので、年収が低い=納税額が少ない方が利用できないのは仕方ないところでもあります(振り分けようにも振り分けるための納税額がないということ)。
*3:自治体によっては12月31日まで納税を受け付けてくれない場合もあるため、寄付する際には納税期限を確認の上、お願いします。