過去、累計で300箇所以上の自治体に対してふるさと納税をしてきた私。
今回はそんな私が思う、ふるさと納税を利用した感想やメリット、デメリットなどをわかりやすくまとめてみたいと思います。
『今年こそはふるさと納税を利用してみよう!』と思っている方は是非、この記事を読んで賢く納税をしてみてくださいね。
※ふるさと納税の仕組みそのものを理解していない方は、こちらの図解記事から先にお読みいただければと思います。
ふるさと納税の感想&メリットまとめ:
多種多様な返礼品の中から選べる:
ふるさと納税を使ったことがない方だと、ふるさと納税ってお米やお肉を送ってもらうだけの制度…と勘違いしている傾向があるんですが、現在、ふるさと納税で貰える返礼品にはそれ以外にも下記ようなものが存在します。
- 豚肉、鶏肉、牛肉などの食肉
- キャベツ、人参などが入った野菜
- 蟹やイカなどの魚介類
- コシヒカリや秋田美人などのお米
- お蕎麦やうどん
- みかん、りんご、梨などのフルーツ
- ビールやワインなどのお酒
- コーヒーやお茶、野菜ジュース
- 干物やかまぼこなどの加工品
- 醤油やソースなどの調味料
- 洋服や着物などの衣類
- 布団や毛布、枕などの寝具
- 自転車やバイクなどの乗り物
- 机やソファーなどの家具
- 掃除機や加湿器などの家電
- ノートパソコンなどのパソコン
これらも全体から見ればごくごく一部に過ぎず、大手ふるさと納税のポータルサイトには2022年7月現在で43万点もの返礼品が登録されているほど(苦笑)
もはや無いものは無い…というくらいの品揃えですね。
返礼品を生活の足しにできる:
そのため、ふるさと納税を活用すれば毎月1度、こだわりの野菜セットを届けてもらうとか、精米したてのお米を2ヶ月に1度送ってもらう…なんてことも可能。
実際、私はビールが大好きな人間なので、毎月、神奈川県の南足柄市から下記のスーパードライ1ケースを送ってもらってますし、すこし太り気味だなぁ…という時は焼酎セットを送ってもらうこともあるくらい。
ほんと、これだけで食費がどれだけ節約できているかわかりません。
憧れの高級肉やお酒も堪能できる:
また、山形牛や松阪牛など、普段なら絶対に食べることが出来ない高級肉を取り寄せられるのもふるさと納税ならではですね。
他にも憧れの高級ワインを飲んでみたいとか、普通は食べられないフォアグラを注文してみたいとか、お腹いっぱいズワイガニを食べたい…等々、そんな小さな夢を叶えることも出来るのもふるさと納税のメリットのひとつ。
「納税」だからこそ贅沢に使えるお金もあると思いますよ。使い方はもう無限大です。
送られてくるものには偽物がない:
次に、ふるさと納税を利用して良かったなーと思うのは、送られてくるものの品質がかなり良いという点。
これ、楽天市場やヤフーショッピングといった、一般的なインターネット通販サイトを経由して購入した場合と比べると、それがよくわかります(カニ通販を例にして比較)。
- 通販サイト:
利益重視のカニ販売なので、中には写真うつりだけが良い、粗悪品が含まれる(中身がスカスカとか、鮮度が悪いとか)。 - ふるさと納税:
町の産業をアピールするための商品なので、品質が悪いものが送られてくることがあまりない(中身がギッシリで鮮度が良い)。
まぁもちろん通販サイトでも良質なカニを送ってきてくれるところはありますし、ふるさと納税でも逆にスカスカのカニが来ることもありますが、ビジネスと町の産業アピールとでは、やはり安心感が段違い。
返礼品を送ってくる業者も、「市区町村の指定業者のままでいたい」という思惑があるでしょうから、粗末な対応はできない抑止効果もあるのでしょう。
牛肉などの品質も素晴らしい:
また、近江牛や仙台牛といった牛肉などもそう。
こちらもふるさと納税を利用すれば食品偽装を疑うことなく、確実にその高級牛が手にはいるというメリットがあるので、ただ安いだけの通販サイト経由よりも信頼できるメリットがありますね*1。
- 通販サイト:その銘柄の牛肉が届くかやや怪しい
- ふるさと納税:ほぼ間違いなく指定銘柄の牛肉が届く
通販サイトやレストランよりも信頼性は高いように思います。
自己負担2,000円で返礼品が貰える:
ふるさと納税を利用するためにかかるお金は2,000円だけ…というのもかなりお得。
私のように毎年、確定申告をしている個人事業主にとっては手間はそれほど増えないので、実質、2,000円の負担金だけで肉や魚、野菜といった食品をごっそりと貰うことが出来ます(下記表は返礼品の価値を納税額の3割として計算)。
納税額 | 自己負担 | 貰える返礼品の価値 |
---|---|---|
3万円 | 2,000円 | 約9,000円分の返礼品が貰える |
5万円 | 約1万5,000円分の返礼品が貰える | |
10万円 | 約3万円分の返礼品が貰える | |
30万円 | 約9万円分の返礼品が貰える | |
50万円 | 約15万円分の返礼品が貰える | |
100万円 | 約30万円分の返礼品が貰える |
※納税可能な金額はみなさんの「所得」によって異なります(計算方法はこちらのページ参照)。
こんな感じで極論を言うなればふるさと納税って実質的な節税や減税そのもの。
それゆえ、今年は頑張って仕事したぞーという方は、この制度を使わないこと自体がもったいないことなんです。是非、下記記事を通してふるさと納税の仕組みをきちんと理解し、節税を勝ち取ってみてもらえればと思います。
『いやいや、自分は年収がそんなに高くないから…』という方は、下記記事もあわせてご覧ください。独身の方であれば年収200万円前後から利用価値有りですよ。
カード払いをすると自己負担ゼロに近い:
あと最近では、クレジットカード払いでふるさと納税できる市町村も増えてきました。
これ、仮に10万円のふるさと納税をクレジットカード払いでする場合には約1,000円~2,000円程度のポイントが貰えるわけですから、差し引きすると負担金をほぼ0円にすることも可能ってこと(下記はポイント還元率1.0%の楽天カードなどを利用した場合)。
納税金額 | 一般的なカード | ポイント還元率が高いカード |
---|---|---|
5万円 | 約250円分のポイント獲得 | 約500円分のポイント獲得 |
10万円 | 約500円分のポイント獲得 | 約1,000円分のポイント獲得 |
20万円 | 約1,000円分のポイント獲得 | 約2,000円分のポイント獲得 |
50万円 | 約2,500円分のポイント獲得 | 約5,000円分のポイント獲得 |
これからふるさと納税を利用するのであれば、こんな感じで敢えてクレジットカード払いが可能なところから攻めてみると良いかもしれません。
加えてクレジットカード払いなら銀行振込の手数料削減にも繋がりますよ(ふるさと納税でポイントが貯まりやすいクレジットカードは下記記事を参照)。
確定申告不要でふるさと納税が使えるようになった:
過去、ふるさと納税制度を利用するためには確定申告が必須だったのですが、現在では確定申告をせずにふるさと納税を使うことができるワンストップ特例制度というものが用意されています(詳細はこちら)。
- 過去:ふるさと納税を使うには確定申告が必要
- 現在:ワンストップ特例制度を使えば確定申告不要
こちらを利用すればちょっとした手間だけで返礼品をもらえるので、今までふるさと納税に手を出してこなかった方も是非、この機会に挑戦を!
一度やり方を覚えてしまえば、決して難しい制度ではありません。
ふるさと納税のデメリットと問題提議:
引き続きふるさと納税を使った上で感じた、この制度のデメリットや問題点などもあげてみたいと思います。
納税するとお得なことはわかったけど、ふるさと納税にはほんとに落とし穴はないの?と心配な方は是非、お読みください。
どこに応募したのかわからない:
過去、私は累計で300ヶ所以上のふるさと納税に応募してみましたが、正直、どこの市町村に寄付をしたのかさっぱり覚えていません(苦笑)
見ているのは結局、どの肉が美味しかったとか、どの野菜セットが種類が豊富で嬉しかったとか、この焼酎がコスパ良かったとかそういうのだけなんですよね。
- 気にする点:返礼品の良さやコストパフォーマンス
- 気にしない:どこの自治体かどうか
でもこれって特産品をプレゼントする側である市町村からすると、税金を多く集められるメリットはあるものの、「おらが町」をアピールする効果は乏しい感じ。
とにかく特産品を送ってお金をかき集めてるだけに近いのかなという気がします。
市町村側の対応もまずい:
更にいうのであれば、市町村側の対応もかなりまずい。
ふるさと納税を利用して送られてくる名産品の中には、市町村からの感謝状が入っていることが多いんですが、この出来が凄く悪いんですよね。
たとえば、『この度はふるさと納税を…うんたらかんたら、有難うございました。○○町』という文字だけが書かれた白黒の紙を1枚入れただけで、納税者が隅々まで読むことなんてありえません。
- 白黒文字だけの感謝状:読まない
- 町長の顔写真入りの感謝状:読まない
少なくとも私はまったく読まないので、せっかく町をアピールできる機会なのにまったく効果無しです。
都道府県名を省いちゃダメ:
加えて感謝状に○○県○○町という記載があればまだなんとなく場所がわかるんですが、○○町としか書かれていないことも多いため、土地勘がない私からするとどこの都道府県にある市町村なのかすらわからない…なんてオチもあったり(苦笑)
まぁこれについては思うに、
- ふるさと納税を申し込む側:
すこしでもお得に肉や魚などの特産品が貰えれば良い。どこの自治体に寄付したかは関係ない。 - 市区町村側:
自分達の県や市町村にゆかりのある人や興味のある人が、寄付目的で申し込んでくれたと思っている。だから自治体のアピールは不要。
というズレがあるんでしょう。
唯一、愛知県の碧南市だけはきちんとしたパンフレットを同梱してきてくれたため好印象でした。こうして記憶に残ってます。
ただの特産品のプレゼント合戦:
現状のふるさと納税の問題点はやはり、この制度がただ、御礼品のプレゼント合戦になっているという点ですよね。
私は過去、累計で1,000万円分くらいの肉や魚、ウナギ、野菜、調味料、日本酒などなどを貰いました。それはふるさと納税をした先の地方自治体(県や市町村)に興味や関心があったわけではなく、単純にそれらの特産品が欲しかっただけです。
- 間違い:ゆかりのある自治体に寄付をしたいから納税した
- 正解:お肉や野菜などの返礼品欲しさに納税した
育った町に寄付したかったとか、観光に行った時に感動したから応援したくなったとか、そういった思い入れはありません。
自治体同士による返礼品競争になる:
そんな状況があるからか、自治体同士の返礼品獲得競争は激しくなるいっぽう。
なにせ魅力的な返礼品さえ用意できれば日本中から寄付が集まる仕組みがあるので、『うちの自治体へ寄付してくれればお米を15kg送るよ!』ってところが出てくれば、今度は『いやいや、うちに寄付してくれれば20kg送るよ!』みたいなところが出てくると、ふるさと納税本来の趣旨から大きくはずれてきてしまっている感があります。
結果として2019年6月に規制強化がされましたが、その後も似たような競争が続いてる状況です(還元率3割ぴったりで、いかに魅力的な返礼品を用意できるか競い合ってる形)。
返礼品がいつ届くかわからない:
そんなふるさと納税制度でちょっと不便だな…と思うのは、申し込みをした返礼品がいつ届くかわからない点。
自治体によっては指定日配送や配送時間を設定できるところも出てきてはいますが、多くの自治体がいまだに「発送準備が整い次第、返礼品を発送する」という形を取っているように思います。
困るのが野菜や肉などの食品:
それでも食器やコップなどの工芸品や、お蕎麦やうどんといった乾物であれば問題ないのですが、困るのが野菜やお肉などの冷蔵&冷凍食品。
- 工芸品:いつ届いても問題ない
- 乾物:いつ届いてもほぼ問題なし
- 野菜やお肉:不在時に届くと問題あり
実際、私も一度、長期出張中に野菜が届けられてしまい、出張先で途方に暮れてしまった経験があります。
この時は運良く、根菜類が中心の野菜セットだったために、受取りが1週間遅れてもどうにかなりましたが、夏場や春先などの葉物野菜が多い時期だったら全部ダメにしてしまっていたかもしれません。
早めに指定日配送が出来るようにしてほしいです。
パソコンや家電などは届くのが遅い:
あと、ふるさと納税制度でパソコンや家電などを取り寄せようとすると、届くまでに1ヶ月以上の期間がかかるのはザラ。
- 通常の返礼品:早ければ1週間程度で届く
- パソコンや家電:届くまでに1ヶ月以上かかる
下手すると3ヶ月くらい待たされることもあるので、『あれ、なんかクロネコヤマトから荷物が届いたんだけど、どこからだろう?』と、すっかり納税をしたこと自体を忘れてしまうこともありますよ。
人気の返礼品だと半年待ちの場合も:
人気が集中している返礼品だと、自宅に届けてもらうまでに6ヶ月以上の期間が必要…なんてものも(季節指定のフルーツや魚介類、あとランキング上位の人気返礼品などでよくある話)。
- 人気の返礼品:届くの総じて遅い
- お米:収穫時期に届くことも
- フルーツ:原則、収穫時期に届く
ここまで来ると計画的に返礼品を貰うことは無理な話。ほぼ間違いなく、いきなり大量のお肉が届いたり、米俵が自宅に届いてビビることになります。
申込時には予めご注意ください。
お得にふるさと納税をするために:
ここで参考までに、お得にふるさと納税するための方法を紹介。利用前には必ずこのあたりの情報に目を通した上で、納税するようにしてくださいね。
納税可能額をまずは計算:
ふるさと納税を利用するなら、まずは納税可能な金額をしっかり把握しておくことが重要。仮に納税可能額以上に納税してしまうと、その分だけ自己負担となってしまうで損です。
- 寄付可能額の範囲内で利用:自己負担は2,000円のみ
- 寄付可能額の範囲以上に納税:自己負担は2,000円のみで済まない(オーバーしてしまった分だけ自己負担)
そのため、ふるさと納税制度を利用するなら、事前に源泉徴収票や給与明細を使って寄付可能額を調べるようにしてください。
なんだか難しく感じるかもしれませんが、仕組みを理解すれば自分がいくら税金を払っているのかを知るよいキッカケにもなると思うのでおすすめですよ(納税可能な詳細金額をシミュレーションしたい方は下記記事参照)。
ふるさと納税でパソコンを貰おう:
ふるさと納税経由で最新のデスクトップパソコンやノートパソコンを貰いたい…という方のための記事です。
最近では総務省の意向によって登録数そのものは少なくなってきてしまっていますが、未だに返礼品としての登録がある自治体は残っているので、自宅や仕事用のパソコンを買い替えたい…と思っている方はじっくりとご覧ください。
最新式のVAIOやNECパソコンが入手できます。
テレビや掃除機などの家電も貰える:
ふるさと納税で貰えるのはパソコンだけではありません。
炊飯器や掃除機、テレビに電子レンジなどの電化製品も返礼品としてもらえるので、ふるさと納税できる上限金額が高めな方は寄付を検討いただければと思います。
詳しくは下記記事を参考にどうぞ。
ポータルサイトごとに違いがある:
ふるさと納税の返礼品を探す上で、便利なのが返礼品の情報が集まったポータルサイト…ですが、大手ポータルサイトでもそれぞれ特徴等の違いがあるので、使うサイトを選ぶのって非常に重要。
利用でAmazonギフトカードがもらえる自治体もあれば、楽天ポイントやTポイントを付与してくれるところもあるので、納税前には大手ポータルサイトを比較してみてください。
最大手が常にお得なわけではありません。
お金に詳しくなれば所得もあがる傾向に:
この世の中、こう言い切ってしまうと語弊があるかもしれませんが、お金を稼いでいる人は総じてお金に詳しい人たち。
そしてその反対に、所得が増えない方は残念ながらお金の知識が不足してしまっている傾向にあると言われています(詳細は下記記事にて)。
そのため、ふるさと納税についても『なんだか難しそうだなぁ…』と思わずに、挑戦してみることがすごく重要。
仮に納税可能な金額が少なかったとしても、覚えた知識は無駄になりませんよ。この機会にお金に詳しくなるはじめの1歩を、踏み出してもらえればなと思います(5,000円程度しか寄付できなくても挑戦を!)。
意義のある制度にしてほしい:
最後に。
このままプレゼント合戦を続けるのか、それとも地方自治体に対してさらなる規制を加えるのか?その答えは私にはわかりませんが、私たち消費者としては使える制度は使うべきですよね。
現状では所得が高い人も低い人も、ふるさと納税が活用できるのであればどんどん使ったほうがお得なので、是非、上手にふるさと納税を利用して家計の助けにして貰えればなと思います(下記の情報サイト等で貰えるアイテムについては確認ください)。
以上、累計300以上の自治体に寄付した私が書く、ふるさと納税の感想まとめ!そのメリットやデメリット等、この制度の現状をまとめました…という話題でした。
参考リンク:
ふるさと納税以外にも家計の節約を考えている…という方は、下記の支出を削減することができるサービスまとめもご覧ください。
写真印刷1枚5円…なんてサービスもありますよ。
*1:書いていいのかわかりませんが、先日ふるさと納税の返礼品としてもらった群馬県の上州牛だけは正直、ガッカリな品質でした。筋張った高級肉とは思えない感じのお肉が届いたので、もう応募はしないと思います。